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第11回子育て支援セミナー 開催レポート

相談室「ゆずり葉」 設立20周年記念特別講演
「子育てに役立つ心理学」開催レポート
    *参加者の感想は3.アンケートの中に掲載しております。

1.内容
 
第11回子育て支援セミナーは相談室ゆずり葉の設立20周年を記念して、「子育てに役立つ心理学」と題して、代表の後藤弘美氏が特別講演を行った。

第一部「思春期の心と向き合う」 
 まずはじめに「心理とはなにか・・?」心はつかみどころのないものではなく、脳科学的なものであり、いくらでも自分でコントロールできる。それが心理であるというお話しがあった。
思春期は心の成長と体の成長のアンバランスを起こしやすい時期で、大人や社会に対する矛盾を抱えながらも自我を形成していく葛藤の時期でもある。そして自立と依存の間で常にゆらいでいる。親はそのような成長段階にいる子どもの心理を理解し、ゆらぎの中にいる我が子を保護・干渉しすぎないようにほどほどに・・放任せず一緒に考えていく、サポートしてく姿勢が大事である。その具体的な親の態度・子どもとの関わり方について、ロジャーズ療法・ユング心理学・認知行動療法・家族療法の4つの心理療法をわかりやすく解説。傾聴と受容、家族ルール、子どもの性格の見方を変える、ホジティブな言葉かけ、家族のパワー関係など、詳しく学ぶことができた。

第二部「不登校の予防と対応」
 不登校の原因は簡単なひとつの理由ではない。本人の資質・器質、家族関係・家庭環境、過去におけるすべての人間関係と環境・・これらが複雑に絡み合って、不登校という症状が出てくる。複雑だけれど、その中でひとつでも改善すれば相互的に変化し良くなる。対応には家族と学校が共通理解し、同じ方向を向いて取り組むことが大事である。その具体的な対応は、すぐに結論を出そうとせず、聴くに徹する。受容して共感する。子どもが話そうとするタイミングを逃さない。ルールと約束事を作る。期限付きの配慮はしても許容はしない。疾病利得をさせない。このような対応を心がけながら、登校に向けて一緒に取り組みを続け、やがて心身ともに健康になり再び登校を果たした事例を紹介された。


   

2.感想ー@                 司会    上田恵子     

 
今回ゆずり葉として初めての試みでセミナーを開催し、50名を超える方々にお越しいただきました。
みなさんメモを取りながら真剣にお話しを聞いていらっしゃいました。現代の子どもを取り巻く環境は複雑で、子育てに難しさを感じることも多いかと思います。今回のセミナーでご紹介した子どもの心を理解して、上手く関わるための具体的なコツやヒントを、明日からの子育てになにか一つでも活かしていただければ幸いに思います。たくさんの方のご来場、誠にありがとうございました。


感 想ーA                    スタッフ 後藤真江
 
子育ては結果がすぐに出ないから、長い長い道程。無意識に子どものためと思いつつ期待をかけては、思い通りにならない我が子に悲喜交交しながらも、日々直面する様々な出来事を乗り越えるのに精一杯・・・決して順風満帆ではなかった子育て。
 先生の講演に自らを省察しつつ耳を傾け「もう一度やり直してみたい!!」と思う程、為になる内容でした。特に言葉の持つ力・重要性は、親子だから遠慮なく不用意に、感情のままに言葉を口にしてしまう私にとって、今更ながら一番の反省材料であると痛感しました。
 第二部の不登校対応と予防では、先生自らの体験談や、具体的な事例を用いてのお話は、とてもわかりやすく、来場された方々もとても参考になったと思います。
 講演は50余名もの参加で大盛会に終わり、スタッフの一員としてとてもうれしく思いました。


感想ーB                   スタッフ 堀田美也子
今回は、思春期の子どもの特徴と、不登校の対応と予防を心理学の観点から学ばせていただきました。

思春期の子どもが持つ特徴のひとつに「自立と依存」があり、自分で決めたいが決断して実行するだけの力はまだない・・・いいけどやだし、やだけどいいし。YesでもNoでもイヤ。親に黙っていてと言いつつ本当に黙っていられると頭にくるし、何か言われてももちろん頭にくる・・・。このように自分自身をコントロールできない不安定さがあるそうです。
過保護過干渉はよくないけれど、放任もよくないのですね。

思春期の子どもは、これを言ったら叱られるかな・・とか、自分の負の部分を知られたくない・・という思いから、内面を出しづらいそうです。誰かに傾聴や共感をしてもらえると、心的エネルギーが溜まり問題解決能力がアップするとのこと。

親として我が子にちょうどよい塩梅のサポートができることが最大の目標ですね。

他にもロジャーズ、ユング、認知行動療法、家族療法など今回は、内容が盛り沢山過ぎて、感想が書きづらいのですが、とにかく、心理学は子育てに役立つと思います。これからも後藤先生のユニークで具体的でわかりやすいお話を聞きに、ワークショップにおいでくださいませ。一緒に学ばせていただきましょう。


感想ーC 「受容・許容」と「家族ルール」     スタッフ 松本 留美
 食べ物の好き嫌いにはじまり、幼児の頃の「やだやだ」、成長してからの「勉強が嫌い」「学校に行きたくない」・・・わが子の訴えをどこまで許していいものか・・・子どもの幸せを願う親は、いつも迷う。
子どもが幼い頃にはわりあい簡単に解決していたものが、思春期になるとそうはいかない。思春期は、本人も親も、自分探しの旅人のようだ。
 今回のセミナーの中で、「受容」と「許容」という言葉が出てきた。
「受容」は受け入れること。「許容」は許すこと。
「子どもの話を聴くなら3時間は覚悟して。」の言葉に代表されるように、「受容」には制限がない。
子どものつらい気持ちを受け入れる、悲しい気持ちに寄り添う・・・母親の心の深さ、父親の包容力は、いつでもどんなときでも無制限でありたい。
「許容」には、制限がある。ここまでなら許す、という範囲なのだが、たいていの家庭で母親が決めているのではないだろうか。母親が決めた「許容範囲」は、子育てが順調なうちはビシっと守られるが、ひとたび揺らぐとガラガラと崩れてしまう危ういものだ。
そこで登場させるのが「家族ルール」だ。家庭がピンチに陥ったら、崩壊した独裁国家から国民が主役の民主的国家になれる絶好のチャンスらしい。
 「家族ルール」は、家族で話し合って決めなければならない。
反抗期で口もきかないAさん、インターネットの世界に行きっぱなしのBさん、口を開けば「うるせー」しか言わないCさん、怒りと悲しみで家事が手につかないDさん、仕事で帰りが遅くいつも不機嫌なEさん、・・・こんな家族に「家族ルール」ができるのだろうか?
たとえば、遠足のおやつ について考えてみる。たいていの学校で「おやつは○○円まで。」と決められていたが、最近は「おやつの時間に食べきれる量」というのが主流だ。
他人に「〇〇円まで」と制限されると、〇〇円ぎりぎりまで買わないと損するような気持ちになるし、消費税は含まれるのか、果物はどうなのか、残ったら帰りのバスで食べてもいいのか、などの決定を依存して、自分の行動に責任を持たなくなる。自分で「食べきれる量」が決められる、一人の人間なのに。
「家族ルール」にも「遠足のおやつ」と似たところがないだろうか?私の子育てを振り返ると、親の意見を伝える努力はしても、子どもの意見を引き出す工夫が足りなかったように思う。ダメダメに見える行動にも根拠があり、機会さえ与えられれば、子どもは自分で正しいことを一生懸命考えることができるはず。私の子どもだもの。
そう考えると「家族ルール」そのものよりも、まずは「同じ土俵にたって、お互いを信頼し合い話し合うこと」が大切なのかもしれない。「家族ルール」について話し合うことは、親が子どもを心から心配し、信頼していることを体現していることにほかならない。「愛している」と百回言うよりもよほど愛が伝わるはずである。そして、そうやって決まった「家族ルール」なら、子ども自身が大事にして、黙って守ろうとするような気がする。


3.アンケート集計結果    回収41名

参加者内訳  母 32名、父 7名、支援者 8名、スタッフ5名  計52名
       ( 中学生を持つ親35名、高校生を持つ親12名、小学生を持つ親15名・・複数回答)

(参加者の感想)自由記述
・参考になりよいお話がきけました。
・具体的な事例を交え、内容の深い講演だったと思います。
・様々な本を読んでいるのですが生の声でお話を伺うとよりぐっと入ってきてためになりました。
・とても、言葉かけの大切さを学ぶことができ、他もいろいろ参考になり気持ちも楽になりました。
・心理療法の4つの種類を教えていただき勉強になりました。今後の子育てに役立てたいと思います。
・もっと早く知っていたらと思うことが多かったが、これから出来る事も多いとわかって良かった。
・参加できなかった妻ともよく話し合ってみたい。
・お話の口調やスピードが良く、集中して聞くことが出来ました。
・淡々とお話なさる中に包まれた体験の重み、ご自身の経験にもとづくお話は胸にしっかりとまるお話と感じました。
・第一部の「「放任」の部分で、ものすごく辛かったです。(いたたまれぬ思いで。)
・日頃、学校に行きたがらない子どもに対して、どのように接したらよいか、悩んでいるところで、どのように対応したらよいか参考になった。具体的でわかりやすいお話でした。
・〇〇とは、というところから理解ができて、知識が深まった。身にしみました。
・とても参考になりました。
・本当に勉強になりました。夫や子どもとの関わり方を見つめ直してみようと思います。
・思春期の子供の心理状態がどんな感じなのか、どのように対応すればお互いにとって良い関係を保つことができるのか、ヒントを頂きました。まだまだ手さぐりで子育てをしていますが、今日のセミナーを参考にしていきたいと思います。
・聴く大切さ、そして提案しないこと。怒りをおさえてはだめ、とにかくこらえない、親子共々お互いの心的エネルギーをためておく努力をしたいです。
・第一部の思春期のお話で、大分息子の状況にあてはまることがあり、(息子は9才なので)まだ早いと思っていたところが目からうろこでした。
・思春期の心のしくみがわかり、子どもへの接し方がわかりました。
・いつもカウンセリングを受けていた内容がどういう意味があるかがわかり、よかった。
・「良い意味であきらめる」は私にとって目からウロコであり、大切な言葉になりました。
・子供が4人、歳も近くて、お互いの主張がそれぞれぶつかり合い、毎日朝から夜まで胃が痛い日々です。
・家にいるといつも自分は一人で、同じ考えがぐるぐるまわってしまいますが、セミナーに参加することにより整理されているように思います。

(今後ワークショップで取り上げてほしいこと)
・アサーティブに興味があります。
・乳幼児の心理。今後関わることがあるので勉強してみたいと思う。
・心理学の話は興味深く、今後のワークショップでまた学ばせて頂きたいです。
・自宅でできる具体的な、かつ簡単な心理療法的アプローチ、具体例、成功例、事例など、ロールプレイ、(髪を抜くなど)くせがなおらないとき。
・姉妹兄弟関係の見守り方+パワー関係(システム論に関連して)。
・反抗期について、反抗期は必ずあるものなのか、あるべきなのか、というあたりを知りたいです。
・ASD傾向のある、グレーゾーンの子供への対応に特化したセミナーに参加したいです。
・今回は専門用語も多く、学びの情報量としてはもり沢山でした。興味がありさらに知りたいと思う方に参考文献の案内があると更に良いのではないでしょうか?聴講者の誰にでも印象が残り理解を深める為の具体例を基本に添ってお話して下さると有難いです。
・兄弟のかかわり合いも聞きたいです。
・ルール作りができない。どのようにルールを作るのか具体的な方法を取り上げてほしい。(スマホ、ゲーム、ライン中毒から脱却できない。)
・高校生・大学生レベルでの問題をかかえている子供のケースについて取り上げてほしい。

1.今回の参加は何回目ですか?
  初めて    30
  2回目     3
  3回目以上   8

2. セミナーに参加していかがでしたか?(複数回答可)
  参加できてよかった          34
  リラックスして参加できた        8
  少し緊張して疲れた          2

3. 第一部「思春期の心理と向き合う」は参考になりましたか?
  とても参考になった          36
  少し参考になった            3  無回答 2

(具体的に何が参考になりましたか?)
・いろいろな角度で子供を見ようと思いました。
・思春期の子どもの心理がよく理解出来た。
・外交的、内向的の話。
・思春期とは?理解が深まった。
・ポジティブな言葉かけ、家族ルールがあると良いといった事。
・過保護、干渉、放任の具体的な例など、気が付かずそうなっていることが多いので。
・とても参考になりました。
・全てを一度に子どもへ接するとかまえてしまうので、今後、少しずつためしてみたいと思います。
・幸せになれそうな気がしました!!とても楽しく聞けて時間があっという間に過ぎてしまったセミナーでした。
・傾聴―受容―共感。
・家族ルールの作り方。
・子どもの心との接し方、行動のヒントが得られた。ユングの内向・外向の見方を意識してみたい。
・ユング心理学、物事の見方、認知行動療法、ことばかけ。
・放任、ユング。
・親の態度、傾聴、共感、言葉の使い方。
・心理療法、ルール作りの必要性が分かった。
・子どもの心理、関わり方がわかった。
・子どもへの関わり方。
・ユング心理学のタイプなどの心理療法。
・心理療法による理解と取り組み、中でも家族療法。
・ポジティブな言葉がけをすること。「勉強しておくと、いろいろな職につける人になれるよ!」
・心のしくみが理解できました。
・家族のルールを決める。受容と許容の違い。


4. 第二部「不登校の予防と対応」は参考になりましたか
 とても参考になった    29
少し参考になった      5  無回答 7

(具体的に何が参考になりましたか?)
・具体的な話でよかったです。
・具体的療法。
・対応の基本。子どもの問題より親(大人)の対応の重要性を再確認した。
・親たちに可能性が見いだせたのではないか?
・傾聴の大切さ、親が意見を言わない、ポジティブな言葉かけの大切さ。
・親の態度、子供への関わり方。
・家族療法のパワーシステムの考え方が参考になった。反省すべき点が多かった。
・対応の基本について。
・心理療法。
・改めて対応のあり方が大切だとわかった。
・対応の仕方、親としてのあり方。
・子どもの話をじっくり聴くことの大切さ。
・期限付きの配慮、「今は」とつけたりするのは目からウロコでした。
・変えられるのは家庭・家族関係という点。
・対応の基本。いつでもどんな時でも基本に返ることが大切だと思いました。

5. 参加人数はいかがでしたか?
 多すぎる     4
ちょうどよい  34
いくらでもよい  1

6. 今後参加してみたい内容はどれですか?
 ワークショップ         18
 ゆずり葉のカウンセリング     7
 グループカウンセリング      3
 不登校の親の会「☆Wish」   9
 子育て心理セミナー       26
 講演会・シンポジウム      15

7. このワークショップをどちらでお知りになりましたか?
広報うらやす 3   ニューファミリー新聞 1  市川よみうり新聞 4  浦安新聞 3  情報誌サークル 1 
情報誌ティータイム 2  情報誌スクエア 0  情報誌すまいる 1  公民館 2  市民活動センター 1  Wave101 1   ゆずり葉来室時 6 ゆずり葉からの郵便物 4   知人・スタッフからの紹介 12    その他 7

 

11月10日 (日) 13:30〜16:30
浦安市美浜公民館 第3会議室
浦安市美浜5-13-1 JR京葉線新浦安駅下車徒歩5分
【定員60名 ・ 参加費500円】
【対象:関心のある保護者・支援者】


相談室「ゆずり葉」は、地域に開かれた親しみやすい相談室を目指し、子どもの健やかな成長を心理的な面から応援する場として活動を続けて、今年で20年という節目を迎えました。そこで20周年記念として心理学セミナーを企画しました。 「子どもが何を考えているのかわからない・・・」、「学校に行きたがらない時どうしたらいいの?」 子どもの心を理解し、上手く関わっていくための言葉かけや態度などを、事例を交えて学んでいきます。

プログラム
【第一部】
「思春期の心理と向き合う」
・思春期とは?子どもの心の内と外
・親の取るべき態度〜変えてはいけないこと、変わらなければならないこと

【第二部】
「不登校の予防と対応」
・小学生事例:毎朝の腹痛頭痛・起きられない 他
・中〜高校生事例:人との関わりを嫌がる・昼夜逆転 他

講師
後藤 弘美 (臨床心理士)
わが子の不登校を克服した経験を活かし、学校に行きたがらない子どもの支援活動に精力的に取り組む。
心理士・親の両方の立場から保護者や子どもはもちろん、教員など専門家へのサポートも行っている大変貴重な存在。多面的かつ具体的なアドバイスを行うと好評。
・相談室「ゆずり葉」代表・不登校の親の会「☆Wish」代表
・東京都教育相談センター専門家アドヴァイザリースタッフ
・元千葉県教育委員会 不登校の新しい支援の在り方検討委員
・不登校児童・生徒の居場所と相談「オープンスクール☆Wish」開設H15年〜18年

主催:家族・子育て相談室「ゆずり葉」
申込み&問合せ 047-380-5582   090-4025-2282 

後援 浦安市・浦安市教育委員会

下のリンクからカラーポスターがご覧いただけます。

KosodateSeminar 20131110Poster.pdf へのリンク

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